猫の咳|名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック|名古屋市南区の動物病院

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コラム

猫の咳|名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック|名古屋市南区の動物病院

猫の咳

猫の咳

猫も咳をします。

しかし、その症状は一見 「」 とは見えず、嘔吐だと認識されていることも多いように感じます。

猫の咳は、発作性咳(:何かに関連するわけではなく、突然のタイミングで咳を生じる)であることが多く、

咳時には姿勢を低くし、首を伸ばすようにします。

こちらの動画も猫の咳症状です。

猫の咳を生じる疾患として

猫喘息・慢性気管支炎・細気管支炎・猫のブロンコレア・猫の上部気道感染症・喉頭炎・気管支/肺腫瘍・気管支拡張症・下気道感染症・気道異物

などが挙げられます。

上記疾患のうち代表的な疾患として「猫の気管支疾患/猫喘息」について少し記載します。

猫の気管支疾患/猫喘息」とは

繰り返す発作性咳、喘鳴、呼吸困難などを呈する、猫で臨床上認められる末梢気道病変の総称と定義されており、

認められる症状は気管支平滑筋収縮による気道壁の肥厚、過度の分泌物、細胞浸潤などにより引き起こされます1

実験的に特定抗原を反復吸入させた猫において、人の気管支喘息と同様の病態(気道過敏性亢進、気道狭窄、気道の好酸球性炎症など)が認められたことから
猫喘息(Feline Asthma:FA)と呼ばれるようになりました。

しかし、好酸球以外の気道炎症が存在することがあり、全てが実験的FAモデルと同様ではなく、現在は猫の気管支疾患/猫喘息として包括されています。

猫喘息はアレルギーが関与していることがあり、特定の抗原を吸入または摂取することで発症することがあります(Ⅰ型アレルギー)3

また、臭化カリウムなどの一部の薬剤も猫の気管支疾患を生じる原因となると報告されています4

様々な猫種(シャム猫で多いとする報告もある5)、年齢で発症する可能性があり、その症状に季節性があることもあります4

検査としては血液検査レントゲン検査などで疾患を疑い、確定診断には気管支鏡検査・気管支肺胞洗浄液解析(BAL)が必要です。

猫の気管支疾患はBALでの炎症タイプが治療反応、予後に関与するため、きちんと診断することが重要であると考えています。

治療は炎症タイプによっても異なりますが、治療の主軸はステロイド療法となることが多いです。</p

ステロイド治療といっても内服薬、注射薬、吸入療法、ネブライザー療法などの選択肢があり、

病態、猫の性格、ご家族の環境などを考慮して検討します。

症状は同じように見えても予後が良好な疾患と、予後が要注意な疾患と区別されます。そのため治療開始前にきちんと診断することを推奨しております。

猫の咳はなかなか「」だと気付かれないことがあります。

気になる症状があれば、その症状を動画で撮影してご相談ください。

動画撮影猫

参考文献

1. Allerton F. J., Leemans J., Tual C. et al. (2013) Correlation of bronchoalveolar eosinophilic percentage with airway responsiveness in cats with chronic bronchial disease. J Small Anim Pract54,258-264.

2. Norris Reinero C. R., Decile K. C., Berghaus R. D. et al. (2004) An experimental model of allergic asthma in cats sensitized to house dust mite or bermuda grass allergen. Int Arch Allergy Immunol135,117-131.

3. Bay JD Johnson LR (2004) Feline Bronchial Disease/Asthma. Textbook of Respiratory Diseases in Dogs and Cats,388-396.

4. Foster S. F., Allan G. S., Martin P. et al. (2004) Twenty-five cases of feline bronchial disease (1995-2000). J Feline Med Surg6,181-188.

5. Moise N. S., Wiedenkeller D., Yeager A. E. et al. (1989) Clinical, radiographic, and bronchial cytologic features of cats with bronchial disease: 65 cases (1980-1986). J Am Vet Med Assoc194,1467-1473.

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