皮膚科
一般診療をしている中で1番多く来院されるきっかけに皮膚のトラブルがあります。
皮膚病は、軽度な症状から再発しやすい病気や生涯に渡って管理が必要な病気も多く、わんちゃんやねこちゃんにとって大きな負担になりがちです。
飼い主様とのコミュニケーションを重視し、皮膚病を抱えるわんちゃん・ねこちゃんとその飼い主様に寄り添い、皮膚病の再発防止のためのご提案ができるよう、全力でサポートします。
また、2023年12月からは皮膚科医/獣医学博士で東京動物アレルギーセンター センター長の川野浩志先生に診療サポートをしていただきながら、犬のアトピー性皮膚炎や猫のアレルギー性皮膚炎などに対して、対症療法ではなくシャンプーや保湿などのデイリーケア、サプリメント、適切なフード選びなどトータルサポートで根治療法を目指しています。
皮膚に細菌が感染することによってかゆみや脱毛、皮膚の赤みや湿疹を引き起こす皮膚病です。
膿皮症は他のわんちゃんから細菌が感染して発症するのではなく、皮膚や皮膚のバリア機能の異常によって、皮膚に元々いた細菌が過剰に増えることで発症します。
感染を引き起こす要因として、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などのホルモン異常や、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が背景にあることがあります。
原因によっては慢性化したり、再発を繰り返します。
わんちゃんに痒みをもたらすもっとも代表的な疾患です。
遺伝的な素因によるアレルギー体質と皮膚バリア機能の異常があり、そこへアレルゲンが侵入することで症状が出ると考えられています。
多くは3歳までの間に目や口周り、耳、脇、手足や指の間、お腹や腰の皮膚が赤くなったり痒くなるなど、なんらかの症状が出ます。
花粉やハウスダスト、ダニなどによって引き起こされるアレルギー反応が皮膚にあらわれる病気です。かゆみ・赤み・湿疹・脱毛などの症状が見られることがあります。
マラセチア皮膚炎は、口の周り、耳、肛門周囲に常在するマラセチアが関連した皮膚病です。マラセチアはあぶらが好きなことから、あぶらの溜まりやすい首、脇、股などの皺に痒みを伴う赤み、脱毛、皮膚の肥厚などを認めます。
脂漏症は 皮脂が過剰に分泌され皮膚がべたついたり、フケが出てしまう病気です。
皮脂が増えると、皮脂や水分を好むマラセチア菌などが増殖しやすくなり、菌が増えることで痒みや赤みなどが生じます。
遺伝的要因(シーズー、コッカー・スパニエルなど)、アレルギーなどによる皮膚炎、ホルモンの病気、食事、不適切なスキンケアなどが原因はさまざまです。
一般的に、免疫が弱い仔犬、仔猫や高齢の犬猫、環境などで免疫が落ちている子などが感染を引き起こす皮膚病です。毛やフケに感染し、症状として抜け毛やフケを認め、皮膚が柔らかい目の周りや口、耳の周り、足先などに発症します。
わんちゃん・ねこちゃんの皮膚糸状菌症は人獣共通感染症なので、人にも感染します。
アレルギー性皮膚炎とは、アレルギー症状を起こす原因物質であるアレルゲンによって、犬体内の免疫機構が過剰に反応するため生じる皮膚炎のことをいいます。アレルゲンの種類にはノミやハウスダスト、花粉などがあります。
アレルゲンは普段の生活環境に存在していますし、これまでずっと食べてきたフードに対してかゆみを示すことはよくあります。
ポメラニアン、シベリアンハスキーやトイプードル、パピヨンなどで発症が確認されています。左右対称性の脱毛を示し、体の内部からの影響、特に内分泌疾患の関与が疑われていますが、今のところ明確な原因は特定されていません。
治療には長い時間が必要になることが多く、発毛が見られるまで数ヶ月から数年かかる場合があります。この毛周期停止という疾患は主な症状は脱毛であり、それ以外の症状はほとんどありません。
現時点で毛周期停止に対する決定的な治療法は発見されていませんが、脱毛部のバリア機能の回復を目的として治療を試みています。