歯科
犬や猫のお口の病気で最も多いのが歯周病です。 2歳齢までの犬では約80%、猫では約70%が何らかの形で歯周病に罹患しているといわれています。またホームケアを行わない小型犬は、約9ヶ月齢から歯周病が始まることもあります。若齢から歯周病は進行するため、早期からのデンタルケアが重要となってきますが、歯磨きを頑張っても付いてしまうのが歯石です。歯石を放置して歯周病が進行すると、以下のようなことが起こるかもしれません。
歯周病は様々な疾患を引き起こす可能性があるため、悪くなる前の予防的歯科治療が大切です。 付いてしまった歯石を適切な方法で処置すれば、歯周病は防げます。
当院では、予防的歯科治療を行なっております。 ワンちゃんネコちゃんのお口の状態が気になる場合は、一度診察にいらしてください。その際に口腔内病変の進行具合を判断し、飼い主様と一緒に治療計画を立てます。麻酔をかけての処置(超音波スケーリングやポリッシング、抜歯等)が必要な場合は、血液検査やレントゲン、エコーにて術前検査を行い、処置の日程を組ませて頂きます。処置後もホームデンタルケアが重要になってくる場合もあるため、お悩みの方はご指導いたします。 歯周病は進行してしまうと、元には戻りません。 積極的なデンタルケアで、お口の健康維持を頑張りましょう。
猫に起こる病気で、難治性口内炎、喉頭口内炎、口腔後部口内炎、口狭炎など様々な名称で呼ばれていますが、最近では尾側口内炎と呼ばれることも多い疾患です。 尾側口内炎は歯肉炎や歯周炎にとどまらず、口腔の内側をおおっている粘膜まで炎症が起こり、粘膜下まで広がる病気 です。この病気の特徴としては、猫ちゃんの性格が変わるほど、痛みが強いことです。 痛みが原因でごはんを食べる事ができず、痩せてしまうことも珍しくありません。 原因として、ウイルス(特に猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルス、猫カリシウイルス)の関与、免疫反応の異常などが挙げられていますが、詳しいことはわかっていません。歯石の細菌などに過剰に反応しているともいわれています。 痛みを伴う口腔後部の発赤や潰瘍などの臨床症状から診断します。 重症な子は、頬粘膜や喉頭粘膜まで炎症が広がることもあります。
主に歯石除去や抜歯を行います。口腔内細菌の関与が疑われているため、それを清浄化するのが目的です。抜歯は、全臼歯抜歯と全顎抜歯があり、唯一完治する可能性のある治療となります。
全臼歯抜歯:奥歯をすべて抜歯します。
全顎抜歯:すべての歯を抜歯します。
効果が出るまでが遅く、抜歯から1か月以上、長いと1年ほどしてから効果がでてくることもあります。しかし全顎抜歯しても、重度の子は全く改善しない可能性もあります。
飲み薬や注射などによる治療が一般的です。しかし効果は一時的で、繰り返す可能性が高く完治は望めません。主に以下のような薬を使用します。
・抗菌薬
・ステロイド薬
・インターフェロン製剤
・免疫抑制薬
・鎮痛薬