神経科|名古屋市南区の動物病院|名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック

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神経科

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こんな症状ありませんか?

  • けいれん(発作)
  • 頭や首の傾斜がおかしい
  • ふらつきがある

考えられる病気

てんかん発作

脳の神経細胞が過剰に興奮することで生じる症状で、 激しい全身の痙攣を伴うこともあります。通常の脳は、興奮と抑制の均衡が取れた状態を維持しています。しかし何らかの原因で、脳の興奮が過剰になってしまった時にてんかん発作が起こります。てんかん発作と言っても症状は様々であり、大きな痙攣の発作もあれば、局所的な症状しか示さない小さな発作もあります。

焦点性てんかん発作

体の一部にのみ限局して起こります。意識は正常であることが多く、流涎、顔面の一部がピクピクする、攻撃的になる、などの症状がよく見られます。脳の部分的に異常がでて起こる発作です。もし発作を疑う様子がある場合は、その動画を撮って頂くと診療にとても役に立ちます。

全般性てんかん発作

突然意識を失って横になり、手足が強直して痙攣させる全身性の発作です。意識はなく、飼い主の呼びかけにも反応ができません。このような発作が起きる前、不安そうにしたり、性格が変化するなどの兆候が見られることがあります。

全般性てんかん発作にもいくつかのタイプがあります。
・強直性発作:四肢が緊張し強く突っ張ってしまう発作のこと
・間代性発作:四肢が遊泳するようにリズミカルに動く発作のこと
・強直間代性発作:上記の両方が続いて起こる発作のこと

特発性てんかん

特発性てんかんの発症年齢は6カ月~6才とされています。そのため、初めて発作が起きた年齢が特発性てんかんの診断をつけるうえで重要になります。特発性てんかんはどの犬も発症する場合があり、遺伝的な要因が関与しているといわれていますが、原因は不明です。

反応性てんかん

低血糖、腎不全、肝不全、ミネラルの異常などで起こります。血液検査で見つかることが多いです。また熱中症で高体温になった時や、中毒などでもてんかん発作がみられる場合もあります。

構造性てんかん

脳の病気で発作が起こります。高齢の犬では、脳腫瘍や脳梗塞、脳出血が原因である場合が多く、比較的若い年齢でも脳炎で発症する場合があります。

てんかん発作の検査

特発性てんかん、反応性てんかん、構造性てんかんを鑑別するために、まずは中毒物摂取歴を確認し、血液検査により反応性てんかんではないか確認します。それらが除外された場合はMRI検査などを実施し、脳に病気がないかを検査します。

てんかん発作の治療

治療には、抗てんかん薬というお薬が必要です。反応性てんかん発作の場合は、原因を治療することで改善することもあります。抗てんかん薬は生涯にわたって投与することが多く、定期的な血液検査や血中濃度の測定を行いながら、適切な投薬を行っていきます。構造性てんかんがある場合は、抗てんかん薬以外の投薬が必要になることがあります。特発性てんかんの場合は、多くが抗てんかん薬により良好にコントロールでき、発作がなければいつも通りの生活が可能です。しかし難治性といって、複数の抗てんかん薬が必要になる場合もあります。

前庭障害

急に頭が傾き(斜頸)、黒目が揺れたり(眼振)、同じ方向にグルグルと歩き回ったり(旋回運動)します。気持ち悪くなって嘔吐したり、食欲不振になる場合もあります。平衡感覚を司る前庭系や脳の異常により引き起こされる神経徴候です。前庭障害には末梢性、中枢性、特発性があります。

末梢性前庭障害

耳側の末梢前庭が原因で起こり、多くは中耳炎か内耳炎です。中耳炎や内耳炎のほとんどは、外耳炎から起こります。顔の神経に影響が出るため、眼振以外にもホルネル症候群と呼ばれる目に異変が起きる症状が見られる場合もあります。耳の炎症で起こる前庭障害は、それらを治療することで改善します。

中枢性前庭障害

脳側の中枢前庭で起こり、脳の外傷や脳炎、脳腫瘍などが原因です。前庭障害の原因が脳にある場合、いずれも緊急性が高く、早期治療が必要です。

特発性前庭障害

検査をしても原因が不明な場合を、特発性と呼びます。特に高齢犬に起こることが多く、老齢性前庭疾患ともいいます。多くが10日以内に回復しますが、重症な場合には、1か月ほど回復までにかかることもあります。後遺症として斜頸が残ったり、再発する場合も稀にあります。

前庭障害の検査

問診や身体検査、犬の姿勢や歩き方、神経学的検査、外耳から鼓膜までを調べる耳鏡検査、身体の状態を調べる血液検査やレントゲン検査などを行っていきます。
血液検査やレントゲン検査では、神経症状を起こすような他臓器の異常がないかを確認します。
これらの検査結果や症状の特徴などから、病変発生部位を予想して、その後の検査や治療を検討します。
診断的検査に進む場合は、原因を特定するために全身麻酔下でCT検査やMRI検査を行うこともあります。意識状態が悪かったり、四肢や顔面の麻痺を伴ったりしている場合は脳の病気を疑い、MRI検査が推奨されます。

前庭障害の治療

末梢性前庭障害の場合は、投薬などで治療しますが、脳に障害が見つかった場合は、手術ができないこともあるため、対症療法のみ行うケースもあります。特発性前庭疾患には、明確な治療法がありません。そのため、吐き気止めなどの投薬で、自然回復を待ちます。

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